ゴルフや各種スポーツの指導で、「腰を回せ!」「腰を捻(ひね)れ!」というアドバイスを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかし、実は「腰を無理に回す動き」こそが、腰痛の大きな原因になっているかもしれません。

今回は、解剖学的な視点から「腰の可動域の真実」と、腰を痛めずにパフォーマンスを上げる正しい身体の使い方、予防ストレッチの重要性について解説します。

### なぜ「腰を回す」と腰痛になるのか?腰椎の構造と可動域の真実

人間の腰の部分にある背骨を「腰椎(ようつい)」と呼びます。結論から言うと、腰椎の構造は「捻る動き(回旋)」にはまったく適していません。

関節の形状的な理由から、腰椎全体を合わせても回旋の可動域はたったの10〜15度程度しかありません。

それにもかかわらず、ゴルフのスイングやスポーツの動作で無理に「腰を回しよう」とすると、本来曲がらない方向に過度な負担がかかり、以下のような障害を引き起こすリスクが高まります。

・椎間板ヘルニア
・筋膜性腰痛
・腰痛症・腰椎分離症

### 体を捻る動きの主役は「胸椎」と「股関節」

「では、身体を捻るスポーツはどうすればいいの?」と疑問に思うかもしれません。

実は、体を捻る(回旋する)動きの約80〜90%は「胸椎(胸の背骨)」と「股関節」が担っています。

各部位の役割と可動域の違いは以下の通りです。

■ 腰椎(腰)
・役割:体幹の安定・支える
・回旋の可動域:約10〜15度(ほぼ回らない)

■ 胸椎(胸)
・役割:上半身の捻りを作る
・回旋の可動域:約35度

■ 股関節(足の付け根)
・役割:下半身の回転を作る
・回旋の可動域:約45度

つまり、「腰を回している」ように見えるプロのアスリートやゴルファーも、実際には胸椎と股関節を柔軟に使っているだけで、腰自体はほとんど回していません。

### 腰痛予防とパフォーマンス向上に必須の「柔軟性獲得」

安全にスポーツを楽しみ、フォームのキレや飛距離を伸ばすためには、次の2点が非常に大切です。

1. 「腰は安定させる(無理に捻らない)」意識を持つこと
2. 「胸椎」と「股関節」の可動域を広げるストレッチを行うこと

腰を痛めないためには、腰そのものを揉むのではなく、連動して動く胸周り(肩甲骨・胸椎)と下半身(股関節・お尻の筋肉)の柔軟性を獲得することが最大の予防策になります。

日頃から胸椎と股関節のストレッチを習慣化し、腰に負担をかけない「正しく動ける体」を作っていきましょう!🧘‍♀️

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